rafle_nico Music/Work

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MI AUDIO Super Crunch Box ディストーション レビュー

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今回の記事では、MI AUDIO(またはMI EFFECTS)のSuper Crunch Boxの簡単なレビューを書いていきたいと思います。

Super Crunch Boxとは、MI AUDIOから発売されていた名機、Crunch Box Distortionの後継機になります。
発売自体は随分昔になりますので、知っている人も多い機種ではないでしょうか。

また、Crunch Box系は自作エフェクターの中でも結構人気があるので、ディストーションの自作を考える時に候補に上がってくるのも人気の理由の一つかな、と思います。

ディストーションの機能の説明は、この記事を読んでいる人には説明は不要だと思いますので割愛させて頂きます。要するによく歪むのです。

余談ですが、ちょっと調べたところAmazon楽天の出店店舗には全然在庫がありませんでした。輸入量が減っているのでしょうか?

 Super Crunch Boxはディストーションです。ロックのためのスタックアンプに近くなるように意識して作られているようです。
一応公式の説明としては、「オリジナルのCrunch Boxがwall of Marshallの音だとすれば、Super Crunch BoxはMarshallのどのアンプの音もだせるように」ということらしいです。ようするにMarshall系の音。
もちろんディストーションとしてだけではなく、オーバードライブとしても使用できます。
オリジナルのCrunch BoxにくらべてSuperはかなり追加点があるので、少し解説していきます。

まず、コントールは左上の白ノブがVolume右上の白ノブがGainです。
真ん中の縦二つのミニトグルスイッチは、上がGain量を決めるLo/Hi、下がコンプレッション量を決めるCOMPスイッチです。
左の黒ミニノブがプレゼンス量のPRES、右の黒ミニノブがTONEです。

Lo/Hiのミニトグルは、ゲイン量を決めるため、Loに入れるとゲイン量が減り、どちらかというとオーバードライブの域に入ります。
Hiの場合は、かなり歪むディストーションです。

COMPスイッチですが、イメージとしてはアンプのワット数だと思えばいいと思います。
1が50watt、0が100watt、2が10-25wattのようなイメージです。0→1→2の順で、コンプレッション感が強くなっていきます。

ですので、0だとよりヘッドルームが広く、さらにボリュームを大きくなります。逆に2だと、ボリュームは小さくなりますがヘッドルームが少なくなり、より多く歪むようになります。
色んな人のレビューを見ているとやはり2のポジションが一番好き、という人が一番多い気がします。どっかの雑誌でも2が一番評価が高かったです。
HiのCOMP2にするとそりゃもうよく歪みます。Gainノブを10時位にしてもかなり歪んでいます。

逆に言えば、Loの0にしてしまえばかなーりGainをおさえた、ヘッドルームの広い音にできます。ライトなクランチです。すごく音の幅が広いです。
個人的には軽いクランチのカッティングなどは、Loの1でGainが11-12時くらいにすればすごく気持ちよく鳴らすことができます。

オリジナルのCrunch Boxと更に違う点は、PRESノブの存在です。

プレゼンスをコントロールできるようになったことで、より細かく音作りができるようになりました。
[ただ!!私個人の問題でもあったのですが、このPRESノブとTONEノブのおかげで、このエフェクターを購入してからしばらく、音作りにものすごく悩んで中々Super Crunch Boxを好きになることができませんでした。]

音作りの幅が広くなるということは音作りが難しくなるということです。特にこのPRESとTONEノブは0からのカットではないので、下げればモコモコ、上げればジャリジャリキンキンになります。結構がっつりかかるのです。

個人的に使い方としては、ほぼPRESもTONEも11時くらいで固定しちゃっています。10-11時くらいが一番しっくり来るような気がします。

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 音に関しては、私は普段あまりMarshallのアンプで歪ませないのでしっかりと比較はできないのですが、たしかにアンプの歪みっぽい音です。

かなりナチュラルにドライブしてくれますし、ギターのボリュームにもしっかり反応してくれます。HiのCOMP2にしても、ギターのボリュームを絞ってやればクリーンサウンドまで落とすことができます。
これはディストーションペダルとしては必須の性能ですし、とても優秀だと感じます。

また、多彩なコントロールやスイッチのおかげで、非常に幅広いサウンドメイクを実現していると感じます。

Marshallらしい?激歪のロックなディストーションサウンドから、ポップスなどのバッキングにも使えるライトオーバードライブまでなんでもこいです。
自分が使用しているギターやアンプのキャラクターにあわせて、PRESとTONEを細かく設定して最適化することもできるため、音作りが好きな人にはぴったりなペダルだと思います。

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その他の音作りとしては、やはりブースターの活用だと思います。

TS系や純粋なブースターペダルを全後段にセットしてあげることで、しっかりとそれらのペダルを活かした音になってくれます。ここはやはり、このペダルがアンプらしい音のキャラクターを持っているからこそだと思います。

使うペダルにもよると思いますが、後段にクリーンブースターをかませてあげるとしっかりと音が持ち上がってより抜けのいい音になると感じます。

Super Crunch Boxのデメリットとしては、やはりまず価格だと思います。
現在は大体新品の相場が19500〜23000円くらいのようです。たまに中古でかなり安く出ているようですが、最近では昔ほど人気も流通量もないため、中々難しいようです。

特に最近は安くて音のいいペダルが大量にあります。価格帯的にも8500〜15000円クラスでかなりいいディストーションが買えてしまいます。

さらに、個人的には音作りの難しさも欠点だと感じました。

最初の方にも書いた通り、私は最初このペダルが好きになれませんでした。PRESとTONEがかなりよくきくノブのため、自分が求めている音にかっちり中々ハマってくれなかったのです。
さらにLo/HiのスイッチとCOMPスイッチもあるため、結構時間をかけて音を探していく必要があります。

最近だと結構どこでもかっちりくるペダルなんかも増えているのでしょうか。
個人的にはFriedmanのBE-ODなんかが気になります。

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MI AUDIOのSuper Crunch Boxは、これでないとだめ、という類のペダルではないと感じます。
しかし、非常に幅広い音作り、ライトなオーバードライブからメタルのディストーションまでをしっかりと作りこむことのできる多才なエフェクターです。

そういった意味では、見た目や機能が自分に合致すると感じた人は、少し高価になりますが買いだと思います。

私は買ってしばらくは結構後悔していたのですが、扱い方と自分に合った音作りのやり方を覚えてからは結構よく使っており、ペダルボードにもしっかりレギュラーで入っております。

幅広い音作りを実現してくれる、とても便利なディストーションペダルだと感じます。

以上になります。少しでも参考になりましたら幸いでございます。

それでは。

Providence VELVET COMP レビュー

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コンプレッサーって中々ピンとこない人も多いと思います。事実、エフェクターボードにのせていない人の方が多いですし、私の数少ない音楽仲間内でもコンプを利用している人はあまりいません。

しかしコンプレッサーはいい物です。今回は、Providenceの名コンプレッサー、Velvet Compの簡単なレビュー記事を書いていきたいと思います。

コンプレッサーの細かい役割等については自分でうまく言葉にまとめる事が出来る気がしないのと、100%理解していないため割愛します。Googleで「コンプレッサー 機能」とでもググれば詳しい解説が沢山出てきます。

それよりも、私がこのVelvet Compをずっと実戦で使ってきた音のイメージや感想と、使用方法を紹介していきます。使用歴は(たぶん)4年くらいだと思います。個人的にも非常に使用頻度の高いペダルです。

 まず、このコンプレッサーがやってくれることは、大きい音から小さい音までを均一にそろえてくれます。また、音のアタック感も揃えてくれます。

さらに、ギターのサスティーンを伸ばしてくれます。
また、Levelの上げ具合によってはクリーンブースターとしても使用できます。

ノブは、左がLevel、右がSustain、真ん中がAttackです。
Levelを上げ下げすると、その通りエフェクターOn時の音量を調整することができます。
Sustainを上げていくと、音の伸びがよくなっていくのと、エフェクトのかかり具合が大きくなっていきます。上げれば上げるほど、いわゆるコンプ感が増していきます。
Attackはそのまま、音のアタック感を調整します。上げていけば、よく言われるパコパコしたパーカッシブな音になっていきます。

Velvet Compは、他のコンプレッサーでよく言われるOnにしたらすぐにかかるパコパコ感や、不自然なコンプレッション感、原音を変えてしまうようなエフェクト効果は全然感じることがなく、非常に自然なかかりかたをしてくれるな、と感じます。

SustainやAttackをあげていっても、とても弾きやすい、絶妙なエフェクトのかかり方をしていき、原音を変えないで効果が乗っていくような印象です。

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さらに、私が今まで試したことのある他のコンプレッサーと違い、Velvet CompはLevelやその他ノブを上げていっても、そこまでノイズが気にならないのです。これはとっても重要です。
一般的にコンプレッサーは、効果を上げれば上げるほどノイズがどんどん乗って行ってしまうのですが、Velvet Compは自然なかかり方と同時に非常にノイズレスです。

Velvet Compを使ったことがある人はわかるのですが、その自然なエフェクトからかけっぱなしにしたくなってしまうエフェクターです。不自然なコンプ感もないので、非常に有用です。
SustainとAttackを控えめに設定してLevelで音量を整えてあげれば、コンプレッサーというより音を整理してくれるプリアンプのような印象で使うことができます。

Attackを上げていけば、いわゆるコンプらしいパキパキとした歯切れのいい音もしっかりと作れます。カッティングの時やソロギターの時などに大活躍します。

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私の使用例を少しご紹介いたします。

まず、やはりクリーンの時に使いたくなります。私はSAITO GUITARSのS622という、いわゆるスーパーストラト系のSSHギターを使用しているのですが、特にフロントとミドルのミックスの音にかけてあげると、非常にまとまりがあり、耳に優しいのにしっかりと抜けてくる綺麗な音になります。

特に、コンプレッサーの後にプリアンプ/ブースター的なペダルをOnにしてあげると、めちゃくちゃ綺麗な、ハリのある原音を損なわないクリーンサウンドが出来上がります。

私の場合は、Velvet Compの後にLeqtiqueのCLHDをブースターというよりはプリアンプのような形で使用しています。

また、コンプレッサーは一般的にエフェクターボード上シグナルの一番最初においている人が多いと思うのですが、固定概念を捨ててコンプレッサーの前にブースターを置いてみましょう。

ブーストされた(プリアンプ的に調整された)音が一度コンプレッサーに入ることによって、調整された音を一度さらにまとめて上げることができます。具体的に私の場合は、Velvet Compの前にRC Boosterを置いています。

これによって、コンプ後のエフェクトへの影響を大きく変えることができるので、より多彩な音作りを実現することができます。

たとえば、ブースターの後にもう一度ブースターを踏むと、シグナルが大きくなり歪むことが多いと思います。しかし、ブーストした音を一度コンプレッサー圧縮することによって、その後のブーストでも歪まなくなり、2段階ブーストされたクリーンな音を作ることができます。

特にVelvet Compの場合は入力される音に対する元音自体の変化の影響が非常に少なくナチュラルにかかるため、その後に再度加工する場合も自然にかかってくれるため使いやすいです。

さらに、前にも記載した通り他のコンプレッサーとくらべても非常にノイズレスなため、前後で加工した音を入出力した場合にもノイズが増大するリスクがとても少ないです。

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その他の使い方として、オーバードライブやディストーションペダルの前に踏んであげることで、素の歪みサウンドとはまた違ったキャラクターの音を作ることができるため、使用しています。

圧縮されていない音が入るか、圧縮された音が入るかで、歪の音の挙動はかなり変わってきます。
私は電気的な特性などは全然理解していないので解説することはできませんが、イメージとしては、Velvet Compを踏んだ後のドライブというのは素の状態よりも、よりコントロールされた、落ち着いた音になる印象です。
入力量が均一に制限された状態で入っていくので、ダイナミクスには欠けますが、そういった音はそういった音で一つのキャラクターとして有用に活用することができます(たとえばバッキングの時や、バックの音が多い状態でのリード等)。

是非試して欲しいですね!

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 ProvidenceのVelvet Compは、プロの方にも使用されている(元々は今剛さん用の開発だったのかな?)実績もある非常に優秀なコンプレッサーです。

他のコンプレッサーとはまた違った音のキャラクターを持っており、ノイズレスで自然なかかり方が特徴です。

また、自然にかかるだけではなく、コンプレッサーらしいパキパキとした音も作れますし、Levelを上げてブースターとしても使用できます。

価格的には少し高価な買い物にはなってしまいますが、持っていると一生相棒になる超おすすめのペダルです。

以上になります。少しでも参考になれば幸いです。

それでは。

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Xotic RC Booster SH (Scott Henderson) レビュー

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Xoticの超人気エフェクター、RC BoosterのScott Henderson限定モデルであるRC Booster SHのレビューを書いていこうと思います。

SHモデルは全世界台数限定生産で、国内にも限られた個数しか入荷されていませんが、現在はRC Booster-V2として、まったく同じ仕様のモデルが発売されました。
ですので、SHモデルを買えなかった人も特に問題はないです。
ただし、私の持っているCopper色のモデルはSH限定みたいです。
一応まだAmazon楽天に在庫があるみたいなんで貼っておきます。

RC Booster自体はものすごく有名でプロも多数使用しているブースターになりますので、細かい仕様の説明は割愛させて頂きます。

 このエフェクターは当たり前ですがクリーンブースターとしての知名度が抜群です。
ただし、SHモデルから2段階ゲインになり、フットスイッチも2個になりました。
これによって、1段回目と2段階目のゲインの設定次第ではスムーズなオーバードライブとしても使えなくはないです。音はさすがに素晴らしいです。

コントロールノブは、左上がGain1、左下がVolume、右上がTreble、右下がBass、真ん中の黒いミニノブがGain2になります。
フットスイッチは右がGain1、左がGain2です。Gain2はGain1がオンになっていないと踏んでも意味がありません。
Gain2は真ん中の黒いミニノブでGainが調整できるだけです。正直このちっちゃいノブはめちゃくちゃ回しにくいです。

音の印象に関してですが、オリジナルのRC Boosterを使用したことがないので比較をすることはできませんが、原音を本当にそのまま上げてくれる、非常に優秀なクリーンブースターです。

原音量に合わせて(またはほんの少しだけブースト)使用すると、原音がとても良い感じにハリがでてきます。常にOnにしているプロが結構いるのも納得です。
これによって、ブースターやプリアンプとしてではなく、バッファーとしても使用できると思います

さらに、TrebleとBassのコントロールがついているため、クリーンブースターやゲインブースターとして使用するときはもちろん、プリアンプとして使用するときも余分なHigh/Lowをカットしたり、逆にプッシュするためにブーストさせることが可能です
そのため、このRC Boosterを持っていれば、プリアンプとして非常に幅広いコントロールの起点として使用することができます。非常に優秀です。

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次に、SHモデルから追加されたGain2について少し。

Gain2はGain1に上乗せする形で使用します。Gain1がOffの状態で踏むこともできますが、まったく機能しません。

Gainの幅的にはGain1とまったく同じなんだと思います。Gain1からVolume、Treble、Bassを抜いた回路がGain1の後に追加されているといった印象でOKだと思います。

使用方法としては、通常チャンネルをさらにブーストするために使用する方が多いと思いますが、それ以外にもScott Henderson本人の使用方法のように、Gain1に対してGain2を小さめに設定して、RC Boosterをオフにすることなく違ったGainをオン・オフできるようにする、といった使い方も非常に有用です。
特に常時Onにしていたい人には良い使い方だと思います。

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その他に、非常にマニアックな使用方法になるのですが、私が純粋なクリーンブースターやプリアンプとして以外で行っている使い方を書いておきます。

具体的な接続ですが、まずギターの後にRC BoosterのGain1をオンにして、その次にコンプレッサー(Velvet Comp)をオンにします。さらに、コンプの後にもう1台クリーンブスター/プリアンプ(LeqtiqueのCLHD)をオンにします。

これでどうなるかというと、ものすごくきらびやかで音抜けがよく、さらにロングサステインなクリーン音を作ることができます。

特にジャズやフュージョン、ポップス等でクリーンのリードを弾くこと等も非常に多いかと思いますが、そういった時にばっちりな音です。

下記の動画の、2:44で使用している音です(説明文からスキップできます)。

RC Booster SHやV2は、全てのギターで使用できる非常に優秀なエフェクターです。
クリーンから歪んだ時まで、すべてのシーンで自在に原音をコントロールすることができるため、幅広い音作りや調整に使えます。

オリジナルのRC Boosterをしっかりと使用したことがないため比較をすることはできなかったのですが、Gain2が追加されたことによってより幅広く音作りに貢献できるようになっているのではないでしょうか。

クリーンブースター、プリアンプとして最高のパフォーマンスを発揮できるペダルだと思います。

SHモデルが入手できなかった方も、V2が発売されますので問題無いです。
さらに、調べたところAmazon楽天にもSHモデルをまだある程度在庫を持っている店舗があるようですので是非この機会に検討してみてください。

実はこのRCB-SHが、私が購入した初めてのXotic製品でした。
このペダルを買ってから使用していて思うのが、Xotic製品は本当に堅実且つ綺麗にできており、非常満足感の高い製品になっているな、と感じました。素晴らしいメーカーだと思います。

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以上になります。少しでも参考になれば幸いです。

それでは。

Leqtique Maestoso オーバードライブ レビュー

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今回の記事では、Leqtiqueから発売されている大人気のオーバードライブ、Maestoso(以後MAT)のレビューをしていこうと思います。

以前CLHDのレビューを書きましたが、実はこのMATはCLHDと同時に購入しました。実践使用回数もそこそこ増えましたので、私の使い方や音の感想などを簡単に紹介できたらな、と思います。

非常に有名なペダルですので、ネット上に山ほどレビュー等は投稿されていますが、一趣味ギタリストの感想として読んで頂けますと幸いでございます。

Leqtique レクティーク オーバードライブ Maestoso

Leqtique レクティーク オーバードライブ Maestoso

 

 MATはいわゆるTS系オーバードライブの系統になります。
Shun Nokina氏の名作であるMARがTSにかなり寄せていたペダルだとすれば(私はMARの使用経験はありません)、このMATはかなり改造されたハイブリッドTS系になると思います。

ただし、TS系とは言われていますが、私個人としてはかなり別物のペダルじゃないかな、と感じます。

コントロールの説明になりますが、ノブは左がVolume、右がGain、真ん中がToneになります。非常にオーソドックスなコントロールです。

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まずこのMATの一つの特徴として、一般的なTS系と違ってかなりGain幅が広いです。Gainが0〜1あたりではファットなクリーンブーストになり、Gainが半分くらいのところで既に従来のTS系のGainマックスくらいになっているような気がします。
Gainを最大まで上げれば、相当歪みます。ただし、使用しているギターとピックアップにも夜と思いますが音のキャラクター的には少しファズっぽくなってくる印象です。
でも、全然嫌味のある使いにくい音ではありません。音作り次第でGainマックスでも十分使っていけます。

次の特徴としては、よくあるTS系のように低音が逃げてしまい中域がものすごくプッシュされる、といったことがありません。低音がしっかりついてきます。
一般的なTS系よりもギター側のボリュームやトーンをいじって音を作りやすいようなきがします。

さらに、もう一点特徴としてはToneノブの効きがめちゃくちゃ良い点です。
ギターやアンプの組み合わせによっては、かなり暗い音になってしまったり、ブーミーになってしまう可能性もありますが、そういった時にToneをどんどん上げてあげるとちょうどいい感じに音抜けが良くなっていきます。
よくあるキンキンしていくような上がり方ではなく、Midとハイの間とハイがバランスよく伸びていくような印象ですので、悩まずがっつり上げてあげることができます。
Toneをマックスにしても、聴いていられないような音にはなりません。ばっちり使えます。

単体のオーバードライブとして使用する場合は、私はGainを11時〜1時くらいの間でセッティングして、クランチしたリードトーンですごく前に出てくる音を作れています。
独特なコンプレッション感はありますが、原音を残したまま気持よく歪んでくれます。特にブルースのソロ等にはバッチリだと思います。
先にも記載したように、がっつりGainを上げていくと少しファズっぽい粗めの歪になっていきます。ですので、個人的な意見ですがバッキングなどにはあまり向いていないと感じます。
好みの分かれる歪の質になると感じます。

クリーンブースターとして使用した場合、かなりのボリュームと音圧を稼ぐことができます。
低音がけっこう強めに出てくるので、特にシングルコイルのギターとの相性は抜群だと思います。ハムバッカーでも、アンプをしっかり調整してやればめちゃくちゃいい音が出てきます。

他のペダルやアンプのブースターとして使用する場合は、TS系ですのでしっかりとミッドがブーストされるだけでなく、低音もそれについてきますので迫力のある音になります。
特に、ハイのがっつり出るアンプなどの歪をブーストしてやると最高だと思います。
ただ、一般的なTS系でブーストする時よりも少し暗めの音になる印象を受けますので、しっかり試奏してから購入することをおすすめします。TS系の中でもかなりクセが強いです。

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個人的な総評としては、1台もっておくとクリーンブーストからリード、アンプなどのブーストまで幅広く行ってくれるのでマストな1台だと思います。
一般的なTS系が苦手な人でも、一度ためしてみることをおすすめします。

 

以上になります。少しでも参考になりましたでしょうか。

 

それでは。

多機能ジャンクションボックスの自作 考察&製作編

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今回は中々マニアックな内容の記事になるかもしれません。

ずっとほしかった、理想のジャンクションボックス / スルーボックスを今日、友人に助けてもらいながら自作することができましたので、記事にまとめてみようと思います。

目次:

今回のジャンクションボックスを作ろうと思った経緯

スタジオにセッションや練習に行った時、ギタリストはスタジオ常設のアンプを使うことがほとんどだと思います。特に、自分のラックやアンプを持っていない人は、MarshallやJC120、TwinR等のアンプを借りて使っていると思います。

そういった時に、自分のエフェクターボードを持参した時にアンプのInputへ直列ですべて繋ぐか、またはSend / Returnへ繋ぐか迷うことってありませんか?

さらに、スタジオによっては旧式の古いアンプや特別なアンプを置いていて、Send / Returnのついていないアンプがあることもあります。

そういった時に、自分のボードをSend / Returnありきで組んでいたり、空間系を裏に指したい時ってすごくストレスになりますよね。私はそういった経験が何度も何度もありました。

そこで、ペダルボードをジャンクションボックスでIn/Outをすべてまとめて、ジャンクションボックスのスイッチを入れたり、抜き差しをするだけでそういったSend / Returnのある場合、ない場合、直列にする/しないを直ぐに迷うことなくすばやく行えるようにしたかったのです。

しかし、一般的なジャンクションボックスやスルーボックスは、非常に単純で向かいのジャックへ配線されるだけのシンプルな物です。

多機能ジャンクションボックスの機能説明

今回、ジャンクション・ボックスを作ろうと決めてからは、トグルスイッチを入れると内部の配線が切り替わるようにしようと思っていたのですが、とあるウェブサイトで、スイッチ付きジャックを使用すると、Send / Returnへの入力ジャックにシールドがささっているかささっていないかで自動的に内部のスイッチが動いて配線が変わるようにできることを知り、これが私の理想の形だと思って今回自作することになりました

今回作成した物は接続するとこのようになります。
Send / Returnのあるアンプを使用する場合:
ギター
→ チューナー → ブースター → コンプレッサー → オーバードライブ1 → オーバードライブ2ディストーション → プリアンプアンプインプット
アンプセンド → ディレイ → リバーブ → ルーパーアンプリターン 
こちらは、アンプインプットへ行く配線とSend / Returnいきが分裂します。

Send / Returnがないアンプや、直列でアンプ前にさしたい場合:
ギター → チューナー → ブースター → コンプレッサー → オーバードライブ1 → オーバードライブ2ディストーション → プリアンプ → ディレイ → リバーブ ルーパーアンプインプット
こちらはすべてのエフェクター
直列になります。

スイッチジャックを使用することで、シールドがさしてあるか挿してないかだけで非常に簡単にセットアップをできるようになります。

製作写真

それでは、製作時の写真をのせていきます。

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こいつらがスイッチ付きジャックです。とくに左上の袋に入っている奴がみそです。

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まずはアルミケースをマスキングしてマークします。今回は小さいですがHammondの1590Bを使用、ギリギリです。

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穴あけ完了。ボール盤と、電動ドリル+ステップドリルのコンビであけました。慣れると楽ちん!

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仮組み。高さがとにかくかっつかつです。

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配線。汚いです。初めてやったので許してください!高さがきついので色々曲げたりしています。透明なものはクリアファイルで、蓋と接触するので絶縁しています。
一般的なジャンクションボックスやスルーボックスと違い、少し複雑になっています。

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完成です。無骨で私は凄く好きです。まだマーキングしていません。

右上がギターインプット、その左がアンプセンドへ、その右がアンプリターンから、一番左上がアンプインプットです。

側面の4つがペダルボードへの配線です。こちらは常時さしっぱ。
上の4つのうちの、Send / Returnへシールドがささっていれば全部まっすぐにIn/Outのスルー、ささっていなければすべてが直列配線されるようにスイッチされます。

終わりに

長くなってしまいましたが以上になります。いかがでしたでしょうか?

どれくらいの人がこの機能をもったジャンクションボックスに共感してくれて興味を持って頂けるのかはわかりませんが、とっても機能的で効率的な作りになっています。
スタジオでのセッティングの時間も結構短縮できると思います。

製作方法などについても興味がある方がおられましたら、Twitter等で訊いて頂けましたら少しなら力になれるかと思います。

今後、ペダルボードに組み込んだらまた報告の記事を書こうかと思います。

最後まで読んでいたいた方はお疲れ様です。ありがとうございます。

それでは。

2016/08/20更新
このジャンクションボックスのエフェクターボードへの実装と、機能の解説をした記事を書きました。是非。

raflenico.hatenablog.com

 

Leqtique Rochechouart オーバードライブ レビュー

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今回の記事では、Leqtiqueから7月に発売されたRochechouart(以後Roch)の簡単なレビューをさせて頂きます。

まだまだ購入してから日が浅いので音について個人的に感じたことをまとめるだけになりますので、前回のCLHDの記事同様に、一おうちギタリストの適当な意見として読んで頂けますと幸いです。

まずは簡単にコントロールの説明から。
一番左がVolume、右がGain、真ん中がTreble、黒いちっちゃいノブがLow-Cutです。
このLow-CutとTrebleの設定でかなーり幅広く音を作っていけます。
Low-Cutは結構しっかりききますので、音抜けを良くしたい、余分な低音をけずりたいときにしっかりまわしてあげるといい感じになります。
私個人としては、12時〜1時くらいのところが一番しっくりきます。

Leqtique レクティーク エフェクター オーバードライブ Rochechouart

Leqtique レクティーク エフェクター オーバードライブ Rochechouart

 

 用途としては当たり前ですがオーバードライブです。歪みます。クリーンブースターを探してる人はCLHDとかを買ったほうが良いと思います。

ゲイン・歪みの幅については、ディストーションまではいきませんが、リードトーンを任せられる程度には歪みます。また、LeqtiqueのMaestosoとくらべても、よりコンプレッション感の少ない音です。ですので、ゲインも少し低く感じます。
また、ゲインをマックスにしても全然音が潰れたような感じがしません(クリーンなアンプ使用)。とーっても気持ちのいい歪です。

コンプレッション感が少ないので、ピッキングにも非常に柔軟に反応します。
ゲインをマックスにしても、弱くピッキングしたり、指で優しく弾いてあげるとほぼクリーンな音が出せます。

初めて楽器店で購入前に試奏させてもらった時の感想は、とにかくギターの原音がそのまま歪んでいるみたい!でした。
特に自分のギターのクリーントーンが気に入っていて、あまりキャラクターを変えずに歪ませたい、という人にはもってこいだと思います。

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音の傾向としてはTS系になるんだと思います。
ただ、よくあるTS系のように低音が埋もれたり、中域が出すぎてこもったり、なんてことは全然ないです。使いやすい音ですね。
他のTS系とくらべても、かなり音が締まっていて、かためだと思います。

ただ、あんまり他にたとえて表現できるペダルがないです。私自信がそこまでたくさんの歪ペダルを通ってきたわけではないので。
ですので、音の傾向に好き嫌いは絶対にあるペダルだと思うので、試奏してから購入することをおすすめします。特に自分のギターで!

また、用途としてはコード弾いたりするときではなく単音弾きの時が一番輝くエフェクターだと思います。

ロック、ブルースに特に最適かと!

さらにオーバードライブとしてだけではなく、TS系のようにブースターとしても非常に優秀です。
元の歪の音にあまり干渉することなく、ゲインとキラキラ感をたしてくれます。

似たような使い方ですが、Roch自身の前後にブスターをかませてやることでさらに幅広い歪を作ることができます。
渡しの場合は、前段にRC Booster、後段にCLHDをおいて、用途に合わせて踏み分けています。

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私の好みのセッティングは、Gainが11時〜12時、Trebleが12時〜1時、Low-Cutが12時〜1時くらいのところです。
軽いクランチで単音からカッティングまでちょうどよくはまってくれています。ただし、先にも書いたようにGainをマックスにしても全然使えます。
あと、後段にCLHDをふんで使うこともおおいです。よりキラキラした、繊細な歪になります。

原音に忠実な、とても綺麗でハリのあるオーバードライブです。ぶーすたーとしてもしっかりと活躍してくれます。
あまり似たようなペダルがないかもしれないので、1台もっておくととても重宝すると思います。おすすめです!
TS系があまり好きじゃないけど、TS系のペダルがほしい・・・(?)というような人にもすごくおすすめです。他のTS系のような独特のクセがないような気がします。

まだまだしっかりと使えていないので、これからガンガン使っていきたいですね。

 

以上になります。少しでも参考になれば幸いです。
是非お店に一度試奏にいってください。

 

それでは。

Leqtique レクティーク エフェクター オーバードライブ Rochechouart

Leqtique レクティーク エフェクター オーバードライブ Rochechouart

 

Leqtique CLHD (Caeruleum Lightdrive High Definition)レビュー

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今回の記事では、Leqtiqueから随分前に発売されていたCaeruleum Lightdrive High Definition (以後CLHD)の簡単なレビューをさせて頂きます。

CLHDを購入、使用し始めてから一年以上たちましたので、日常的に使用しているおうちギタリストの一意見として読んで頂けますと幸いでございます。

CLHDの意味や、細かい仕様等は色んなブログやサイトで非常に細かく紹介されていますので、割愛させて頂きます。

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このエフェクターの用途としましては、一応ブースター、プリアンプ、バッファー、オーバードライブとして一般的に紹介されています。使用してみた感想としては、どれとしても使える、といったどうでもいい感想になりました。

ノブは左がVolume、右がGain、真ん中がDefinitionという物になっています。
Definitionは一番左に回しておけば原音ほぼそのまんまの音です。右に回して行くと、ちょっとずつ音の輪郭が丸くなっていきます。かなり細かく設定できますので、好みのポジションを見つけましょう。とにかくこのDefinitionがこのペダルで一番重要な役割をもっています。

Gainについては、マックスにしても軽く音が割れる程度です。ただし、前段・後段にブースターをかませるとかなり独特な、キラキラした歪を作ることができます。Shun Nokina氏もおすすめしている、CLHD2台を使った歪は素晴らしいです。

このCLHD、機能的には非常に地味なのですが、とにかくできること、用途が多いです。しかも音に与える影響は使ってみるとわかるのですが、かなり大きいです。

歪の前に置いてブースター、歪後に置いていわゆるボリュームブースター、クリーンブースター、最初か最後に置いてのプリアンプ代わり、ペダルボードの好みの場所に置いてバッファーとして・・・とにかく多いです。

 

ここでは私の実際の使用方法を紹介させて頂きます。

私はペダルボードの、アンプInputへ入る直前につないでいます。要するに、コンプや歪等の一番最後です。

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こんな感じですね。(家での使用用なんでCLHDとディレイが繋がっていますが無視してください)。

役割としては、ほぼほぼ常時Onにして、写真のセッティングにしてOn/Off時のボリューム差を無くします。そしてDefinitionとGainのノブで、アンプに入る前の最終的な音を決めるために使っています。ようするにアンプ前プリアンプです。

これをすることによって、クリーンから歪まで、非常にきらびやかで解像度の高い音を、前に作った音に合わせて微調整することができます。めちゃくちゃ便利です。
また、歪の後のクリーンブーストとしてもセッティングができますので重宝します。
私はペダルボードの最初、チューナーの次にXoticのRC Boosterも置いていますので、そちらと同時にOnにしてクリーンの音を追い込んだりもします。

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先程も書きましたが、CLHDはOnにすることによって原音を維持したまま、その音をハリのある、キラキラとした音にしてくれます。おそらく色んなレビューで書かれている「高解像度」っていうのはこのことなんだと私は思っています。
クリーンにかますにしろ、歪の前後におくにしても、とにかく音が元気になります。これは素晴らしいです。

特に、私が使用しているSAITO GUITARSのS622のようにクリーンがとてもわかり易く綺麗なギターにはどんぴしゃだと思います。
あまりハムバッカーのギターにつないで使用したことがないのでそちらはわかりませんが、シングルコイルのピックアップとの相性は抜群です。めちゃくちゃおすすめします。
私のおすすめ使用方法は、紹介させて頂きました通り、プリアンプとしての使用です。

 

とにかくこのLeqtique CLHD、大きな変化を求めないで、ギターの音の調整ができ、且つ多様な使用方法があるエフェクターです。
私が今まで購入してきたエフェクターの中でも、ルーパーと並んで使用頻度が高いです。
1台持っておくと絶対に後悔することはないと思います。

 

以上になります。少しでも参考になれば幸いでございます。

 

それでは。