rafle_nico Music/Work

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MI AUDIO Super Crunch Box ディストーション レビュー

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今回の記事では、MI AUDIO(またはMI EFFECTS)のSuper Crunch Boxの簡単なレビューを書いていきたいと思います。

Super Crunch Boxとは、MI AUDIOから発売されていた名機、Crunch Box Distortionの後継機になります。
発売自体は随分昔になりますので、知っている人も多い機種ではないでしょうか。

また、Crunch Box系は自作エフェクターの中でも結構人気があるので、ディストーションの自作を考える時に候補に上がってくるのも人気の理由の一つかな、と思います。

ディストーションの機能の説明は、この記事を読んでいる人には説明は不要だと思いますので割愛させて頂きます。要するによく歪むのです。

余談ですが、ちょっと調べたところAmazon楽天の出店店舗には全然在庫がありませんでした。輸入量が減っているのでしょうか?

 Super Crunch Boxはディストーションです。ロックのためのスタックアンプに近くなるように意識して作られているようです。
一応公式の説明としては、「オリジナルのCrunch Boxがwall of Marshallの音だとすれば、Super Crunch BoxはMarshallのどのアンプの音もだせるように」ということらしいです。ようするにMarshall系の音。
もちろんディストーションとしてだけではなく、オーバードライブとしても使用できます。
オリジナルのCrunch BoxにくらべてSuperはかなり追加点があるので、少し解説していきます。

まず、コントールは左上の白ノブがVolume右上の白ノブがGainです。
真ん中の縦二つのミニトグルスイッチは、上がGain量を決めるLo/Hi、下がコンプレッション量を決めるCOMPスイッチです。
左の黒ミニノブがプレゼンス量のPRES、右の黒ミニノブがTONEです。

Lo/Hiのミニトグルは、ゲイン量を決めるため、Loに入れるとゲイン量が減り、どちらかというとオーバードライブの域に入ります。
Hiの場合は、かなり歪むディストーションです。

COMPスイッチですが、イメージとしてはアンプのワット数だと思えばいいと思います。
1が50watt、0が100watt、2が10-25wattのようなイメージです。0→1→2の順で、コンプレッション感が強くなっていきます。

ですので、0だとよりヘッドルームが広く、さらにボリュームを大きくなります。逆に2だと、ボリュームは小さくなりますがヘッドルームが少なくなり、より多く歪むようになります。
色んな人のレビューを見ているとやはり2のポジションが一番好き、という人が一番多い気がします。どっかの雑誌でも2が一番評価が高かったです。
HiのCOMP2にするとそりゃもうよく歪みます。Gainノブを10時位にしてもかなり歪んでいます。

逆に言えば、Loの0にしてしまえばかなーりGainをおさえた、ヘッドルームの広い音にできます。ライトなクランチです。すごく音の幅が広いです。
個人的には軽いクランチのカッティングなどは、Loの1でGainが11-12時くらいにすればすごく気持ちよく鳴らすことができます。

オリジナルのCrunch Boxと更に違う点は、PRESノブの存在です。

プレゼンスをコントロールできるようになったことで、より細かく音作りができるようになりました。
[ただ!!私個人の問題でもあったのですが、このPRESノブとTONEノブのおかげで、このエフェクターを購入してからしばらく、音作りにものすごく悩んで中々Super Crunch Boxを好きになることができませんでした。]

音作りの幅が広くなるということは音作りが難しくなるということです。特にこのPRESとTONEノブは0からのカットではないので、下げればモコモコ、上げればジャリジャリキンキンになります。結構がっつりかかるのです。

個人的に使い方としては、ほぼPRESもTONEも11時くらいで固定しちゃっています。10-11時くらいが一番しっくり来るような気がします。

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 音に関しては、私は普段あまりMarshallのアンプで歪ませないのでしっかりと比較はできないのですが、たしかにアンプの歪みっぽい音です。

かなりナチュラルにドライブしてくれますし、ギターのボリュームにもしっかり反応してくれます。HiのCOMP2にしても、ギターのボリュームを絞ってやればクリーンサウンドまで落とすことができます。
これはディストーションペダルとしては必須の性能ですし、とても優秀だと感じます。

また、多彩なコントロールやスイッチのおかげで、非常に幅広いサウンドメイクを実現していると感じます。

Marshallらしい?激歪のロックなディストーションサウンドから、ポップスなどのバッキングにも使えるライトオーバードライブまでなんでもこいです。
自分が使用しているギターやアンプのキャラクターにあわせて、PRESとTONEを細かく設定して最適化することもできるため、音作りが好きな人にはぴったりなペダルだと思います。

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その他の音作りとしては、やはりブースターの活用だと思います。

TS系や純粋なブースターペダルを全後段にセットしてあげることで、しっかりとそれらのペダルを活かした音になってくれます。ここはやはり、このペダルがアンプらしい音のキャラクターを持っているからこそだと思います。

使うペダルにもよると思いますが、後段にクリーンブースターをかませてあげるとしっかりと音が持ち上がってより抜けのいい音になると感じます。

Super Crunch Boxのデメリットとしては、やはりまず価格だと思います。
現在は大体新品の相場が19500〜23000円くらいのようです。たまに中古でかなり安く出ているようですが、最近では昔ほど人気も流通量もないため、中々難しいようです。

特に最近は安くて音のいいペダルが大量にあります。価格帯的にも8500〜15000円クラスでかなりいいディストーションが買えてしまいます。

さらに、個人的には音作りの難しさも欠点だと感じました。

最初の方にも書いた通り、私は最初このペダルが好きになれませんでした。PRESとTONEがかなりよくきくノブのため、自分が求めている音にかっちり中々ハマってくれなかったのです。
さらにLo/HiのスイッチとCOMPスイッチもあるため、結構時間をかけて音を探していく必要があります。

最近だと結構どこでもかっちりくるペダルなんかも増えているのでしょうか。
個人的にはFriedmanのBE-ODなんかが気になります。

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MI AUDIOのSuper Crunch Boxは、これでないとだめ、という類のペダルではないと感じます。
しかし、非常に幅広い音作り、ライトなオーバードライブからメタルのディストーションまでをしっかりと作りこむことのできる多才なエフェクターです。

そういった意味では、見た目や機能が自分に合致すると感じた人は、少し高価になりますが買いだと思います。

私は買ってしばらくは結構後悔していたのですが、扱い方と自分に合った音作りのやり方を覚えてからは結構よく使っており、ペダルボードにもしっかりレギュラーで入っております。

幅広い音作りを実現してくれる、とても便利なディストーションペダルだと感じます。

以上になります。少しでも参考になりましたら幸いでございます。

それでは。